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未登記建物を相続したら?

 所有者不明の土地問題については、前回のブログの記事で紹介しました。これに対して、所有者ははっきりしているけれども、登記がなされていない建物というものも数多く存在しています。

 毎年四月ごろ市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書には、税額のほかに固定資産税が課される土地や建物の明細が記されています。

 明細には、土地や建物の所在や評価額、課税標準、税額が記載されています。これを見て、実際の土地や建物と一致しているかどうか、価額がおかしくないかなどをチェックできるようになっています。そして評価額に異議があるときは、固定資産評価審査委員会に「審査の申出」をして、審査をしてもらうことができます。また、評価額以外のことについて異議があるときは、市町村長に対して審査請求をすることになります。

 ところで、物件の特定も問題がなく、課税の内容についても問題がない場合でも注意すべき点があります。

 それが冒頭にお示しした登記がなされていない建物です。実は、建物は土地と異なり、以前からその登記が義務化されていました。不動産登記法はその47条で「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。」と規定し、また、その164条で47条に違反した場合の過料を10万円と定めています。

 しかし、現実にはこの義務を果たしていない建物が数多くあります。なぜ未登記になっているのかというと、自己資金で建築したので金融機関の抵当権を設定する必要がなかったため、ということが多いようです。

 このような未登記の建物を相続した場合、相続した人は、不動産登記法47条に従って表題登記(かつては、表示登記といっていました。)をする必要があります。

 表題登記は、建物の構造や面積を正確に把握する必要があるため、自分ですることは非常に困難で土地家屋調査士にお願いするのが普通です。この調査士の報酬がネックとなって未登記のまま放置されているものも多いようです。

 では、未登記のままの建物の固定資産税はどうなるのでしょうか?

 固定資産税は、登記の有無に関係なく実質の所有者に対し課されます。このため、市町村役場には、未登記家屋の「登録事項変更届」なる書類が用意されています。これに所定の事項を記載して提出すれば、相続により取得した人に対し課税がされるようになります。仮に、この届を提出していなかった場合、相続人全員を納税義務者とし、そのうちの一人に納税通知書が発せられ、相続人間でトラブルになるケースもあります。

 また、未登記のままだと売却することも難しくなりますので、きちんと登記をしておくことをお勧めします。

                                                                                                                (川路記)

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