正味の遺産額が基礎控除額を超えるときは相続税がかかります。では、どんな財産が相続税の対象になるのでしょうか?
少し下品な言い方になりますが、金目のものはほとんどのものが相続税の対象になります。現金預金・不動産はもとよりお茶の間のテレビやこたつ・身の回り品までありとあらゆる金目のものが相続税の対象となります。
さらに、亡くなられた方が持っておられたものではないのですが、生前贈与された財産のうち一定のもの、死亡退職金・死亡保険金(みなし相続財産)、さらには家族名義の預貯金も実質的に亡くなられた方のものであると認められる場合は相続税の対象になります。
ただし、相続人が受け取った死亡退職金や死亡保険金のうち一定の額、お墓や仏壇・祭壇など、公益事業用の財産・相続税の申告期限までに国などに寄付した財産などは、相続税がかからない財産(非課税財産)とされています。
相続の手続きでまず大切なのは、上記の財産について課税非課税を問わずもれなく見つけ出すことです。これがしっかり行われないと、相続税がかかるかどうかがはっきりしないうえに、遺産分割(財産分け)にも支障が生じます。相続税の申告と納付期限は、亡くなられた日から10か月後ですが、気が付くと期限が目の前に迫っていたということもよく聞くことです。財産を完全に把握できないまま申告すると過少申告となり余分の税金を負担しなければならないことも生じます。
亡くなられた直後から、財産の話しをするのには抵抗があるのは当然ですが、故人の気持ちを大切にするためにも、できるだけ早めに財産の調査を始めることが大切でしょう。
※非課税となる死亡保険金・死亡退職金はそれぞれ500万円×法定相続人の数となっています。
(川路記)